歴史が古いこともあり、配色の起源等については曖昧な部分が多いようです。
一方で、フランスの国旗を起源とした3色旗は多くの国で見られ、北欧地域ではスカンジナビア十字、ノルディック十字など呼ばれる、交点が左側に寄った横長の十字を使用する国や地域が多く見られます。これはデンマークの国旗が基になっているため、デンマークフラグスタイルなどとも呼ばれることもあります。
国名 | 国旗等 | 説明 |
アイスランド | 青地に、白で縁取られた赤い線が入ったスカンジナビア十字の国旗です。色は、この国を構成する3つの要素とされており、赤は火山の溶岩、白は雪と氷河、青は国を取り囲む北海を表しています。 縦横比 18:25 |
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アイルランド | 縦に左から、緑、白、オレンジで3等分されています。公式にはこの3色に意味はないとされていますが、一般的な解釈としては、緑はアイルランドの民族主義者の伝統を、オレンジはウイリアム3世(オレンジ公ウイリアム)の支持者を、白はその両者の平和(若しくは永遠の停戦)を表すものとされています。因みに、どちらもサイズが違うものの、コートジボワールの旗とは左右逆の色遣いであり、イタリアの旗はオレンジの部分が赤となっていて非常に似ています。 縦横比 1:2 |
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アンドラ | 縦に左から青、黄色、赤の3色が8:9:8の割合で分割されており、両側の帯より若干広い幅の中央の黄色の帯には国章が配されています。国章は4分割された盾の部分に関係の深い紋章を配しており、下部にはラテン語で、国の標語である「力を合わせれば強くなる」と記されています。使用されている3色は、近接するフランス国旗の青、スペインン国旗の黄色、両国国旗共通の赤から採ったものです。国民用に使用される国章のないものは、縦横比と中央の幅が広いことを除けば、ルーマニア及びチャドとほぼ同じ配色となっています。 縦横比 7:10 |
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イギリス | イングランドの国旗(白地に赤い十字のセント・ジョージ・クロス)、スコットランドの国旗(青地に白い斜め十字のセント・アンドリュー・クロス)、アイルランドの旗(白地に赤い斜め十字のセント・パトリック・クロス)を組み合わせたもので、ユニオンフラッグ又はユニオンジャックとして有名です。また、この国旗のデザインや色は、イギリスの海外領土や他の英連邦諸国の旗に多く採用されています。 縦横比 1:2 |
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イタリア | 縦に3等分され、左から緑、白、赤の配色となっています。1797年にナポレオンによって持ち込まれたフランス国旗を参考にしたもので、赤と白はミラノの旗の色に、緑はミラノの民兵の制服の色に由来しています。 縦横比、色の濃淡、紋章の有無等を除けばメキシコやアイルランドの国旗と配色が似ています。また、色の順序を逆にするとコートジボワールの国旗にも似ています。 縦横比 2:3 |
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オーストリア | 横に3等分されており、上から赤、白、赤という配色となっています。世界で最も古い国旗の一つとされており、確立された説明はありませんが、伝説に寄れば、第3回十字軍に参加したオーストリア公レオポルト5世が敵の返り血を浴びて全身赤く染まったが、ベルトのため腰の部分だけ白く残ったことに由来すると言われています。 縦横比 2:3 |
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オランダ | 横に3等分され、上から赤、白、青の配色となっており、継続的に使用されているものの中では世界最古の三色旗と言われています。色の濃淡と縦横比を無視すればルクセンブルクの国旗に似ています。色の起源は、16世紀後半にスペインの支配に対抗して蜂起したウィレム1世が使用した、オレンジ・白・青だったものが、オレンジ色は海上で赤に変色しやすい傾向があったため、現在では最初から赤となっています。 縦横比 2:3 |
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北キプロス | 白地に2本の水平線と三日月と星が赤で描かれた旗で、トルコの国旗の赤と白を反転させて水平線を上下に加えた意匠となっています。 この旗は北キプロス政府の旗ですが、民間ではトルコ共和国の旗も用いられています。これはキプロス島の残りの部分(ギリシャ系住民が居住するキプロス共和国政府実効支配地域)でギリシャ共和国の旗が用いられているのと同様です。 (Wikipediaより) 縦横比 2:3 |
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キプロス | 白地の中央に、緑色で描かれた交差するオリーブの小枝の上に黄色でキプロス島の形が配されています。この2本の小枝は、国内で対立するギリシャ系とトルコ系のコミュニティー間の平和と和解への希望を象徴しています。なお、民間においてこの国旗が使用されることは少なく、通常、ギリシャ系住民はギリシャの国旗を、トルコ系住民はトルコの国旗を用いることが多いそうです。 縦横比 3:5 |
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ギリシャ | 水色と白の横帯が等間隔で交互に合わせて9本並んでおり、左上には水色の枠の中に白の十字がデザインされています。この十字はギリシャ正教を象徴していますが、一方で、9つの線と色の意味の正式な解釈はなく、また色調に関しても法律で規定されたことはなく、当初は現在より薄い色だったものが次第に濃くなったものです。 縦横比 2:3 |
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グリーンランド | 上下に白と赤で2等分され、中央左寄りに両色を反転させた配色の円が配されています。このデザインは氷の平原に映る太陽を表しています。この2色はデンマークの国旗に使われている2色と同じで、デンマークとの強い繋がりを象徴しています。 縦横比 12:18 |
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サンマリノ | 上下に白と薄い青で2等分され、中央に国章が配されています。国章は、国内の最高峰に建つ3つの城を表す、3つの丘に3つの塔が建ったデザインの盾がリースと王冠で飾られ、下部に「自由」の文字が入った帯があります。地色の青は、この国章内の水色から採ったものです。また、白と青はそれぞれ自由と平和を象徴するとも言われています。 縦横比 3:4 |
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ジブラルタル | 上部3分の2が白、残りの下部3分の1が赤という配色で、白い帯の中央には3つの塔を持つ赤い城が描かれており、この城の中央の入口から下部の赤い帯に向けて、黄色の大きな鍵がぶら下がっています。このデザインは1502年に当時の王家から付与された紋章のものであり、鍵はジブラルタルが一つの要塞であるというだけでなく、地中海への入口である戦略的重要性を象徴しています。 縦横比 1:2 |
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スイス | 赤地の中央に等辺の白十字が大きく描かれています。この国旗の起源については中世からの伝説がいくつもありますが、スイス軍を識別するための白十字は、少なくとも1339年のラウペンの戦いでの使用が確認されています。 縦横比 1:1 |
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スウェーデン | 青地に、金色のスカンジナビア十字が入った国旗です。青と金色はともに、青地に3つの金色の王冠が並ぶ国章から採られたものです。 縦横比 5:8 |
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スペイン | 黄色地の上下4分の1ずつに赤の帯が入っており、黄色地の左端には国章が配されています。国章は、盾の中にそれぞれスペイン王家、スペインの王冠、立憲君主制を表すシンボルが描かれており、その盾を支えるサポーターとして、スペインの歴史・地理的な情勢を象徴し、ジブラルタル海峡の東端にある二つの岬であるジブラルタルとセウタを表すヘラクレスの柱が使われています。赤と黄色は、最古のスペイン王国であるアラゴン、カスティーリャ、レオン及びナバーラに由来しています。 縦横比 2:3 |
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チャンネル諸島 | チャンネル諸島全体の旗はありませんが、2つある行政区画であるイギリス王室属領(ガーンジー及びジャージー)はそれぞれ旗を制定しています。 《ガーンジー》 白地に赤い十字の入ったセント・ジョージ・クロスと呼ばれるイングランドの国旗の赤い十字の部分に、ノルマンディー公ウィリアム1世に由来する黄色の十字があしらわれています。(Wikipediaより) 《ジャージー》 白地に四隅まで届く赤い斜め十字がX字型に入り、その斜め十字で区切られた上方の区画には、赤い盾の中にノルマンディー公の黄色いヒョウ3匹が描かれたジャージーの紋章の上にプランタジネット朝の黄色い王冠が載った記章が配されています。(Wikipediaより) |
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デンマーク | 赤地に、白のスカンジナビア十字が入った国旗で、世界最古の国旗の一つと言われています。色の起源は明らかではありませんが、1219年のエストニアとの戦争の際に天から降ってきたものを、地面に落下する直前にデンマーク王が手にしたところ形勢が逆転して勝利を収めたという伝説がとても有名ですが、実際には十字軍の旗に由来したという可能性もあります。スカンジナビア十字はこの国旗が起源となっているため、ダンネブロ(デンマークフラッグ)として有名で、後に、他の北欧諸国がこの様式を採用しています。 縦横比 28:37 |
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ドイツ | 横に3等分されており、上から黒、赤、黄色の配色となっています。これらの色はドイツの歴史上、重要な役割を果たしてきたものですが、その由来には諸説あり定かではありません。赤い爪と金色のくちばしをもつ黒鷲が起源であるとも言われています。 縦横比 3:5 |
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ノルウェー | 赤地に、白で縁取られた青い線が入ったスカンジナビア十字の国旗です。赤と白はデンマークとの、青はスウェーデンとの、過去の政治的つながりの強さを表しています。 縦横比 8:11 |
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バチカン | 縦に黄色と白に2等分され、右側の白地の部分の中央には、国章が本来の配色とは違う色で配されています。黄色は法王の精神的な力を、白は彼の世俗的な力をそれぞれ表しています。 縦横比 1:1 |
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フィンランド | 白地に、青のスカンジナビア十字が入った国旗です。青は国内に散らばる無数の湖を、白は冬季に国土を覆い尽くす雪を象徴しています。 縦横比 11:18 |
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フェロー諸島 | 白地に、青で縁取られた赤い線が入ったスカンジナビア十字の旗です。「旗」(the banner)や「印」(the mark)を意味するMerkidと呼ばれ、近隣のアイスランドやノルウェーの国旗と似ており、それらの国と同じ、白、青、赤の3色から成っています。ここでは、白はフェロー諸島の澄んだ空と白波を表してます。なお、赤と青はフェロー諸島で使われる伝統的な2色です。 縦横比 8:11 |
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フランス | 縦に3等分され、左から青、白、赤の配色なっていて、通称「トリコロール(三色旗)」と呼ばれる国旗です。青は自由、白は平等、赤は博愛を表すとされていますが、実際には、フランス革命当時に古代フランス色と呼ばれたこの3色を使用したパリ民兵に由来するとされています。この国旗は世界中の3色旗の起源とされており、イタリアを始めとした他の国の国旗に大きな影響を与えています。 縦横比 2:3 |
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ベルギー | 縦に3等分され、左から黒、黄色、赤の配色なっています。3色旗はフランス国旗を参考にしており、三色は、黒字に赤い舌を出している黄色いライオンというブラバント公の紋章に因んでいます。 縦横比 13:15 |
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ポルトガル | 左側5分の2が緑、右側5分の3が赤という配色で、2色に跨がる形で国章の一部である紋章を配したデザインとなっています。2色の意味についての説明ははっきりしませんが、有力な解釈としては、緑は希望を、赤は国を守るために流された血を表しているというものです。 縦横比 2:3 |
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マルタ | 白と赤で縦に2等分され、左上の白地の部分に、第二次世界大戦中のマルタ国民の勇敢な行動に対してイギリスより贈られたジョージクロスが赤で縁取られて配されています。なお、赤と白の起源は、1091年にシチリア泊ロジャーが自分の赤と白のチェックの旗の一部を切り取って与えた、中世にマルタを支配した聖ヨハネ騎士団のものであるなど諸説ありますが、定かではありません。 縦横比 2:3 |
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マン島 | 赤地の中央に、マン島の紋章であるトリスケリオン(3本の足が組み合わさったもの、三脚巴とも呼ばれる)が描かれています。マン島の三脚巴紋は、ヨーロッパにおける巴紋の一種で、鎧で覆われた膝と足首を直角に曲げた三本の脚が、太ももの付け根の部分で接合した形になっているもので、旗は表裏両面とも足首の指す方向が時計回りになるように両面別々に作られます。このように両面別々に制作される旗は、国旗としては、サウジアラビア、モルドバ、パラグアイの3か国のものがあります。 縦横比 1:2 |
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モナコ | 上下に2等分され、上部が赤、下部が白となっており、インドネシアの国旗と縦横比は違うものの配色は同じとなっています。この2色はグルマディ家のものであり、1339年から使われていて、世界最古の国旗の一つと言われています。 因みに、ポーランドの国旗も、縦横比も違いますが、赤と白が逆の非常に似た国旗となっています。 縦横比 4:5 |
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リヒテンシュタイン | 上下に2等分され、上部が赤、下部が青となっており、上部の赤の帯の左端には金の王冠が配されています。青と赤の2色は18世紀の国内の家庭内でよく使用された色に由来するとされ、王冠は、配色が非常に似たハイチの国旗と区別するために1937年に導入されたものです。 縦横比 3:5 |
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ルクセンブルク | 横に3等分され、上から赤、白、水色の配色となっており、青が濃く、より短いオランダの国旗とよく似ています。色は、白と青の十本の横帯が並んだ地に、金の王冠と爪と舌を持つ赤い二尾の獅子が置かれている国章に由来します。 縦横比 3:5 |