南米は、とても広い割に国の数はそれほど多くなく、殆どの国の公用語は、右上の方のごく一部の国々を除くとスペイン語かポルトガル語(ブラジルだけですが)に限られているのですが、広いだけでなく高低差もあり気候も様々なため歴史や文化にも違いが出て来ますので国旗も多様です。因みに、どうでもいいことですが、個人的には幼い頃からブラジルの国旗になぜか興味を抱いていました。
国名 | 国旗 | 説明 |
アルゼンチン | 横に3等分され、上から水色、白、水色の配色で、中央の白い帯の中心には「5月の太陽」と呼ばれる人の顔を持つ黄色い太陽が配されています。水色は済んだ空を、白はアンデスの雪を表しています。中央の太陽は、独立を願った最初の大規模デモの最中の1810年5月25日の曇った空から現れた太陽を象徴し、その顔はインカ帝国の太陽神であるインティのものです。 縦横比 1:2 |
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ウルグアイ | 白で始まり白で終わる白と水色の等間隔の横帯9本の地で、左上の隅の5本の帯に跨る白の正方形の中には「5月の太陽」と呼ばれる人の顔を持つ黄色い太陽が配されています。この太陽は16本の光を放ち、そのうち8本は細長い三角形の中心に直線が入ったもので、残りの少し短かめの8本は波状になっています。9本の横帯は制定当時の国内の9の県を、太陽は、スペインからの最初の独立宣言(ウルグアイはその後ブラジルからの独立を獲得)が為された1810年5月25日の曇った空から現れた太陽を象徴しています。なお、この国旗の色はアルゼンチンのナショナルカラーとアメリカの国旗に由来します。 縦横比 2:3 |
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エクアドル | 上半分を黄色、下半分を2等分して青と赤に配色されており、中央に黄色と青の部分に重なって国章が配されています。黄色は太陽の光、穀物、鉱物資源を、青は空と海と川を、赤は自由と正義のための闘争で流された愛国者の血を表しています。国章は、楕円の盾の中央にエクアドル最高峰で地球の中心から最も離れた距離の山頂を持つチンボラソ火山が描かれ、山から手前に向けてグアヤス川が流れています。山の上の白い帯に描かれている、おひつじ座、おうし座、ふたご座、かに座に囲まれた金色の星は1845年の革命のあった3月から7月の間を象徴しています。盾の頂上には翼を広げたコンドルが、盾の周囲には四つのエクアドル国旗が垂れており、その上部左には月桂樹、右にはヤシの葉が見えます。コロンビアの国旗とは、長さが違うものの、エクアドルの国旗から国章を取り除けば配色は全く同じです。 縦横比 1:2 |
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ガイアナ | 緑の地に、左辺を底辺とする白で縁取られた黄色の2等辺三角形が右辺の中央に向けて全体を2等分する形で伸びており、さらにその三角形の中に黒で縁取られた赤い三角形が中央に向けて伸びています。緑は森と木の葉を、黄色は鉱物資源と明るい未来を、白は国内を流れるいくつもの川を、赤は熱意と人々の犠牲を、黒は忍耐力を表しています。 縦横比 3:5 |
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コロンビア | 上半分を黄色、下半分を2等分して青と赤に配色されていますが、3色の由来については諸説あります。例えば、黄色はかつて多く産出された金を、青は海を、赤は自由を勝ち取るために流された血を表すというもの、一方では、黄色は主権と正義、青は忠誠心と警戒心、赤は勇気と寛容と、それぞれ抽象的な概念を象徴するというもの、更には、単純に、自由、平等、友愛を意味しているというものがあります。エクアドルの国旗とは、長さが違うものの、そちらが中央に国章を配している点を除けば配色は全く同じです。 縦横比 2:3 |
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スリナム | 横に2:1:4:1:2の比率で分割され、緑、白、赤、白、緑の配色となっており、中央の赤い帯の中央には黄色で星が配されています。赤は進歩と愛を、緑は希望と肥沃な土地を、白は平和と正義と自由を、星は全ての民族の団結を表し、その黄色い光には、黄金の未来に向けて働きながら犠牲に我慢強く耐える強さへの思いが込められています。 縦横比 2:3 |
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チリ | 上下に2等分され、上が白、舌が赤という配色で、白い帯の左端には白い帯と同じ幅の正方形の青い枠があり、その中心には進歩と名誉を象徴する大きな白い星が一つ配されています。青は空を、白は雪に覆われたアンデスを、赤は独立のために流された血を表しています。なお、この国旗のデザインはアメリカの国旗に由来します。 縦横比 2:3 |
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パラグアイ | 横に3等分され、上から赤、白、青の配色で、中央の白帯の中央には紋章が配されています。なお、中央の紋章は表面は国章、裏面は黄色いライオンの上に「自由の帽子」と呼ばれる赤いフリジア帽がデザインされスペイン語で「平和と正義」と書かれた国庫紋章が配されているというもので、世界で3つしかない表裏別々のデザインの国旗の一つです(他の2か国はサウジアラビアとモルドバ)。国章は、白地の三重の円から成り、中心の円には、中心に描かれた黄色い星が緑色のリースで囲まれ、その外側の赤い帯にはスペイン語でパラグアイ共和国と黄色で記されているものです。帯の3色のうち、赤は勇気と愛国心を、白は清廉さと平和を、青は自由と寛大さを表しています。なお、縦横比は異なりますが、中央の紋章を取り除くとオランダの国旗と配色が同じです。 縦横比 3:5 |
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ブラジル | 緑の地の中央に黄色の大きな菱形が配され、その中央に27個の白い星が散りばめられた青い天球儀が描かれています。中央の黄道を表す白い帯には緑色で「秩序と進歩」という標語がポルトガル語で記されています。緑色と黄色はそれぞれブラジル皇帝であるペドロ1世のブラガンサ家とその皇妃マリア・レオポルディナのハプスブルク家を元来表していましたが、現在では、緑は国内の森林を、黄色の菱形は鉱物資源を象徴しています。また、中央の青い円と星は、共和政が樹立された日である1889年11月15日の朝のリオデジャネイロの空を表しています。円内の星はそれぞれブラジル連邦共和国を構成する26州と1連邦直轄区を表しており、当初は21個でしたが、州の数の増加に伴い現在は27個になっています。 縦横比 7:10 |
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ベネズエラ | 横に3等分され、上から黄色、青、赤の配色で、中央の青の帯の中央にはアーチ形に白い8つの星が並んでおり、黄色の帯の左端には国章が配されています。黄色は国土の豊かさを、青は国民の勇気を、赤は独立を勝ち取るために流された血を表していると考えられています。中央の星は元々、独立戦争時に団結した国内の7つの州を示す意味で7個でしたが、1827年にシモン・ボリバルがガイアナの開放を受け8つ目の星を追加したものが長い間受け入れられなかったものを、チャベス大統領が2006年に改変したものです。ただし、ガイアナは現在独立国でありベネズエラの一部ではないため大きな論争を呼んでいます。 縦横比 2:3 |
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ペルー | 縦に3等分され、左から赤、白、赤の配色で、中央の白い帯の中央には国章が配されています。赤は独立のために流された血を、白は平和を象徴しています。国章は、旗に囲まれた三分割の盾の上に冠が飾られているデザインで、盾の中、左上には明るい青の地に国を代表する動物であるビクーニャが、右上には白地に国花であるキナが、下部にはこの国の豊富な地下資源を象徴している金貨が宝庫から溢れだす様子が描かれています。盾の両側には合わせて4本の国旗が、上部にはオークの枝の冠が描かれています。 縦横比 2:3 |
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ボリビア | 横に3等分され、上から赤、黄色、緑の配色で、中央の黄色の帯の中央には国章が配されています。赤は勇気とこの国の英雄たちの血を、黄色は国内の鉱物資源を、緑は国土の肥沃さを表しています。国章は、国旗に囲まれた中央の盾、交差する2丁のマスケット銃、盾の上の月桂樹の枝とアンデスコンドルから構成されています。盾の枠の上半分にはボリビアと書かれており、下半分には現在の9つの県と、かつてボリビア領土で現在はチリ領内にある太平洋沿岸部のリトラル県を象徴する10の星が配されています。枠の内側には太陽とポトシ銀山の元に、それぞれ林業と農業を象徴する木と小麦の隣に立っているアルパカの姿が描かれています。中央の国章の部分に黒い星が配されたガーナの国旗とは配色と縦横比が同じです。 縦横比 2:3 |