中近東の国の国旗は、アラブ反乱旗に起源を持つとされる汎アラブ色(黒、白、緑及び赤)を使用しているものが多くなっています。それぞれの色は、歴代のアラブ系指導者やムスリム政権を表しており、黒は預言者ムハンマド(抑圧からの解放)、白はウマイヤ朝(平和の象徴)、緑はファーティマ朝(豊穣な実り)、赤はオスマン朝(戦いのために流された血)の象徴とされています。
国名 | 国旗 | 説明 |
アフガニスタン | 縦に3等分されており、3色のうち、黒は過去、赤は独立のために流された血を、緑は未来への希望、農業の繁栄及びイスラムを表し、中心に白抜きで国章を配置しています。アフガニスタンは20世紀以降国旗のデザインを20回近く変更していて、これは世界一の回数です。 縦横比 2:3 |
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アラブ首長国連邦 | アラブ反乱旗を起源とする汎アラブ色4色を使ったもので、ここでは緑が肥沃な土地、白が中立性、黒が石油資源、赤が結束を表しています。赤は統一前の全ての首長国の国旗に組み込まれていた伝統的な色です。 縦横比 1:2 |
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イエメン | 横に3等分されており、黒は過去の弾圧、赤はそれに対しての戦いで流された血、白は輝かしい未来を表しており、1990年の南北イエメン統一時に制定されました。なお、シリア、イラク及びエジプトの旗と同じ配色となっていますが、他の国と違い中央の白地の部分に文字やシンボルはありません。 縦横比 2:3 |
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イスラエル | 白地と上下の青の二本線は、ユダヤ教徒が礼拝時に着用するショール(タリット)のデザインから採ったもので、中央に中世から伝わるダビデの星を配しています。 縦横比 8:11 |
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イラク | 配色とその意味はイエメンの国旗と同じですが、中央の白地の部分に緑のアラビア文字でアッラー・アクバル(神は偉大なり)と刻まれています。 縦横比 2:3 |
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イラン | 緑はイスラムの色であると共に成長を、白は誠意と平和を、赤は勇敢さと殉教を表しています。 白地の中央にはチューリップをモチーフにしたイランの国章が赤で配されており、そのその上下の緑の下端部と赤の上端部にはアラビア文字でそれぞれ11回ずつ「アッラー・アクバル」(神は偉大なり)と綴られています。 縦横比 4:7 |
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オマーン | 左側に赤い帯が入り、残りの部分は横に3等分され、上から白、赤、緑の配色で、白は平和と繁栄を、赤は侵入者との戦いを、緑は肥沃な土地とオマーンの山々を表しています。 左上の赤地の部分には剣と短剣を組み合わせたオマーンの国章が白抜きで配されています。 縦横比 1:2 |
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カタール | エビ茶色の地の左側に白のギザギザの帯が配されており、エビ茶色は戦争で流された血を、白は平和を表しています。白の9個のギザギザの先端は、UAEの7つの首長国とバーレーンに続き、イギリスとの間で1916年に9つめの条約メンバー国になったことを意味しています。なお、エビ茶色の部分は当初は赤だったものが日光によって変色したものと言われています。 縦横比 11:28 |
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クウェート | アラブ反乱旗を起源とする汎アラブ色4色を使ったもので、ここでは緑は肥沃な農地を、白は高潔さを、赤はクウェート剣に付いた血を、黒は敵の敗北を意味しています。 縦横比 1:2 |
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サウジアラビア | イスラムの象徴である緑地に、アラビア文字の白抜きで「アッラーの他に神はなく、ムハンマドはその使者である」と綴られており、その下に先端が左を向いた剣が配されています。なお、この文字と剣は表裏共に同じ方向(右から左)へ向けるために、旗は両面プリントで製造されます。因みに、両面プリントの旗は世界で3か国のみで、他にはモルドバとパラグアイがあります。 縦横比 2:3 |
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シリア | 配色とその意味はイエメンの国旗と同じですが、中央の白地の部分に緑色で2つの星が描かれています。この二つの星は、アラブ連合当時の2つの地域(シリアとエジプト)を象徴しています。 縦横比 2:3 |
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トルコ | 赤地の左寄りに三日月とその右側に少し傾いた星が白抜きで配されています。三日月と星はイスラムの伝統的なシンボルであるとともに、トルコ人の記章でもあります。なお、伝説によれば、トルコ兵士の血の海に月と星が反射したものだとも言われています。 縦横比 2:3 |
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パレスチナ | アラブ反乱旗を起源とする汎アラブ色4色を使ったもので、縦の幅を三分割して上から黒、白、緑が配され、左側から赤の三角形が右に向かって突き出しています。 シリアやイラクなどのバアス党の党旗とほぼ同じデザインで、西サハラの国旗、ヨルダンの国旗とも非常に似ています。 (Wikipediaより) 縦横比 1:2 |
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バーレーン | ペルシャ湾岸諸国で伝統的に旗の色として使われてきた赤地の左部分に白のジグザグの帯が配されています。白の5つのギザギザは、イスラムの五行(信仰告白、礼拝、喜捨、断食及び巡礼)を表しています。なお、2002年にまではこのギザギザの数は8個でしたが、カタール国旗との混同を避けるために5個に減らした経緯があります。 縦横比 3:5 |
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ヨルダン | アラブ反乱旗を起源とする汎アラブ色4色を使ったもので、横に3等分されており、黒はアッバース朝を、白はウマイヤ朝を、緑はファーティマ朝を、左側の赤の三角形は1916年のアラブ反乱を表し、ここに配された白抜きの七光星はコーランに示される唯一神、人間性、国民精神、謙虚さ、社会正義、美徳、向上心を表しています。 縦横比 1:2 |
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レバノン | 白地の上下4分の1ずつに赤の帯が入っており、中央部にレバノン杉が配されています。赤は自由のために流された血を、白は平和と雪山と純血を表し、レバノン杉は、国の象徴であるとともに、永遠、安定、幸福及び繁栄を表しています。 縦横比 2:3 |