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旅の写真集  マダガスカル共和国(後編)HEADLINE

マダガスカル観光の旅行記を兼ねた写真集(後編)です。ここでは、西海岸のモロンダバから島の南端部に位置しワオキツネザルを始めとする動物の楽園ベレンティー保護区に移動し、首都アンタナナリボに至る旅をご紹介します。

《モロンダバの朝 ①》

前編でご紹介したバオバブの並木道やツィンギー観光の拠点となる Morondava で宿泊したシェ・マギー(Chez Maggie、日本語ホームページあり)というホテルのバンガローです。
サービスも非常に信頼できる老舗の準高級ホテルですが、それでも写真の部屋で約4千円とお勧めです。
《モロンダバの朝 ②》

モロンダバは、市部の人口約4万人を抱えるマダガスカル西海岸の主要都市ですが、それでも町の中心部は非常にのどかな雰囲気に包まれています。
《モロンダバの朝 ③》

マダガスカルは陸上のインフラが著しく劣っているため、船やボートといった輸送手段に多くを頼っています。

ここモロンダバはそんな海上交通のハブともなっています。
《モロンダバの朝 ④》

中心部の通りも舗装などはされておらず、砂敷きです。
《モロンダバの朝 ⑤》

港では今朝揚がったばかりのとれとれぴちぴちの魚を運ぶ多くの人たちで賑わっていました。
《ベタニア漁村ボート・ツアー ①》

散歩を終えて宿に戻ると、前日まで一緒だったガイドが待ち伏せていて、近所の漁村を案内してくれると言い寄ってきました。

彼の熱意に根負けしたこともありますが、この辺りは漁業を生業にしている人たちが多いということで、せっかくなので、ボート(丸木舟)に乗って対岸にあるベタニア(Betania)漁村を訪ねてみることにしました。

なお、写真はボートから見たモロンダバの家屋の様子です。
《ベタニア漁村ボート・ツアー ②》

こちらもモロンダバ側です。

漁師の家と思われる質素な家が建ち並んでいます。
《ベタニア漁村ボート・ツアー ③》

この辺りにはマングローブの茂る水辺も多く見られます。

魚介類にとっては絶好の住処と言えそうです。
《ベタニア漁村 ①》

ベタニア漁村に到着しました。

ヤシの木が生い茂る、南国情緒溢れる村です。
《ベタニア漁村 ②》

モロンダバでさえ随分のどかでしたが、ここはそれにさらに輪をかけています。
《ベタニア漁村 ③》

伝統的な構造と思われる家が建ち並んでいて、とても良い雰囲気を醸し出しています。
《ベタニア漁村 ④》

村にはいくつかの井戸が掘られていて、地元の奥様たちで賑わっていました。
《ベタニア漁村 ⑤》

とてもフレンドリーな人たちで、満面の笑みで迎えてくれました。
《ベタニア漁村 ⑥》

こちらの方々はちょっと視線がきつめですが特に悪気は無いようでした。
《ベタニア漁村 ⑦》

多くの女性が美肌効果を狙った化粧品を顔に塗っています。
《ベタニア漁村 ⑧》

アフリカなどを旅しているといつも感じますが、水があるということはそれだけで非常に生活が豊かになります。

水を運ぶのは重要な仕事です。力仕事ですが、大抵女性や子供たちがこの作業を担っています。
《ベタニア漁村 ⑨》

こちらの女性は洗濯に余念がありません。

一枚一枚手洗いで大変だとは思いますが、やっぱり水があるのは嬉しいことだと思います。
《ベタニア漁村 ⑩》

学校もありました。平日でしたが朝早かったせいか、まだ授業は開始されていませんでした。

質素ながら機能的には十分な感じです。
《ムルンダバの町 ①》

2時間ほどでモロンダバに戻って来ました。700円ほどのボート代(+ガイドと船頭さんに多少のチップ)の割には、結構楽しめました。
《ムルンダバの町 ②》

これが町の正に中心部を走る目抜き通りです。
《ムルンダバの町 ③》

スーパーなどは無く、ご覧のような個人商店が建ち並ぶのみです。
《ムルンダバの町 ④》

地元の子供たちは全く屈託がありません。
《マダガスカル航空》

ムルンダバを後にすると、首都のアンタナナリボ経由で南部海岸線沿いの町フォール・ドーファン(Fort Dauphin)に向かいました。

因みに、今回の訪問は2010年でしたが、その際に国内線は4回利用し、そのうち2回は、5時間、25時間の遅れという始末でしたが最近はどうなんでしょうか。

ただ、バンコクとの間を結ぶ国際線は比較的定時運行だったのは幸いでした。
《フォール・ドーファンからベレンティーへ続く道 ①》

フォール・ドーファンに移動したのは、ここから約90km西にあるベレンティー自然保護区(Réserve Privée de Berenty)を訪れるためです。

ただ、ここも道路の状態が非常に悪く(具体的には、舗装はされているもののメンテが悪くてぼこぼこ状態のため、未舗装の路肩を走った方がましという状況)、約90km走るのに3時間ほどかかります。マダガスカルでは距離だけ見ても移動時間が推測できないので注意が必要です。

写真は、それでも随分ましな区間の様子です。
《フォール・ドーファンからベレンティーへ続く道 ②》

モロンダバ周辺ほどではありませんが、この辺りにもバオバブはちょこちょこ生えています。
《フォール・ドーファンからベレンティーへ続く道 ③》

橋は1車線分を確保するのが精一杯です。
《フォール・ドーファンからベレンティーへ続く道 ④》

川辺では、相変わらず洗濯や水牛の世話をする人で賑わっています。
《ベレンティー自然保護区 ①》

これがマダガスカル国内有数の動物の楽園ベレンティー自然保護区の入口です。
《ワオキツネザル ①》

入口を入ると、早速ここの目玉動物である Ring-tailed Lemur が登場です。
《ワオキツネザル ②》

苦労して探したりガイドに頼ったりしなくてもそこら中にいるので簡単に見つけて写真を撮ることができます。
《ワオキツネザル ③》

ワオキツネザルはマダガスカルの固有種で、大人で体長約45cm、尾の長さはそれより長い約55cmあります。

その名前は、特徴的な白黒の鮮やかなしま模様のある尾(輪尾)に由来します。
《ワオキツネザル ④》

ただし、意外なことに他の霊長類のように尻尾で物をつかむことはできないそうです。
《ワオキツネザル ⑤》

その代わりと言っては何ですが、必要以上に愛らしい姿がたまりません。
《ワオキツネザル ⑥》

レッサーパンダのように直立している芸達者も発見しました。
《ワオキツネザル ⑦》

と思ったら、マーキングの一環だったようです。
《ワオキツネザル ⑧》

ワオキツネザルは基本的に昼間暑いのはちょっと苦手だそうで、朝と夕方の比較的涼しい時間帯に活発に活動するそうです。
《ワオキツネザル ⑨》

とはいうものの、朝晩でも気温がちょっと低い時には日向に出て両手両足を広げ日光浴をする姿が時々見られます。

局部丸出しのこの無防備な姿もチャーミングです。
《ブラウンキツネザル ①》

こちらは前編でも登場した Common Brown Lemur(別名チャイロキツネザル)です。
《ブラウンキツネザル ②》

天狗のような鼻が特徴的です。
《ブラウンキツネザル ③》

ほとんどの時間を樹上で過ごし、稀にしか地上に降りて来ないとのことですが、この時はどういう風の吹き回しか、地面を練り歩いていました。
《ベローシファカ ①》

こちらも前編で登場した Verreaux's Sifaka です。
《ベローシファカ ②》

上記2種同様マダガスカルの固有種で、枝をつかむために、掌がとても発達しているそうです。
《ベローシファカ ③》

ワオキツネザルとタイプは違いますが、愛らしい顔をしています。
《ベローシファカ ④》

お腹に子供を抱えている者も数匹いました。
《ベローシファカ ⑤》

サボテンの幹に縋り付いていますが痛くないのでしょうか。
《ベローシファカ ⑥》

それにしても、ワオキツネザル同様、長い間大切に育てられてきたためか、人を見ても怖れる素振りを見せません。
《ベローシファカ ⑦》

先ほど愛らしいと書きましたが、ちょっととぼけた顔をしている者も結構います。
《ベローシファカ ⑧》

このベローシファカですが、木に掴まりやすくするために後ろ足が発達して非常に長くなっているので、カンガルーのように前足とのバランスが合わず、地上では普通の猿と違って四肢を使って歩行することができません。
《ベローシファカ ⑨》

そのため地面では、腕を左右に拡げながら、横に飛び跳ねるような格好で移動します。
《ベローシファカ ⑩》

この様子がベローシファカを人気者にしているもう一つの秘密なのです。
《ベローシファカ ⑪》

いま世界には約300種類の霊長類がいるそうですが、その中で2足の横跳びをするのはベローシファカだけだそうです。
《ベローシファカ ⑫》

ただし、木に掴まっているときの人を人とも思っていないような態度と違って、この横っ飛び走行に突いては劣等感があるのか警戒心が強くて中々見せてくれません。

そんな訳で、随分待ちましたが残念ながら正面から写真に収めることはできませんでした。
《ホウシャガメ ①》

ここには亀もいます。別名マダガスカルホシガメとも呼ばれる Radiated Tortoise は、これまたマダガスカルの固有種で、甲羅に放射状の模様があることからこの名前が付いています。
《ホウシャガメ ②》

野生個体ではオスが 30~40cm、メスが 25~35cmの大きさと、リクガメの中では特に大きくはありませんが、世界でもっとも美しいカメのひとつと言われているそうです。
《シロアシイタチキツネザル ①》

前編でも登場した White-footed Sportive Lemur です。

とても可愛い顔をしていますが、体長約25cmと小さい上に、木の上の方にいることが多いのでガイド無しで見つけるのは中々容易ではありません。
《マダガスカルの鳥 ①》

マダガスカルアオバト(Madagascan green pigeon) のカップル(多分)です。マダガスカルの固有種ですが、絶滅危惧種ではなく、比較的頻繁に見ることができます。

前編でも触れましたが、マダガスカルは258種の鳥の生息地であり、そのうちの115種は世界中の他の地域で発見されていない固有種だそうです。
《マダガスカルの鳥 ②》

全身黒ずくめでカラスのような色合いですが、髪の毛が逆立っているし、愛嬌もあってキュートなマダガスカル・オウチュウ(Madagascar Drongo)という鳥です。

名前からもわかるとおり、これもマダガスカルの固有種です。
《シロアシイタチキツネザル ②》

再びシロアシ何とかです。夜行性な上、昼間は木のうろの中で体を丸めて眠るシャイな奴です。

ワオキツネザルやベローシファカなど昼行性キツネザルが群れで行動するのに対して、夜行性のキツネザルは単独で行動します。
《ベローシファカ ⑬》

再びベローシファカです。

木の上の方が明らかに居心地が良さそうです。
《ベローシファカ ⑭》

動物園ではないのにこんなに多くのキツネザルが簡単に見られるのは嬉しい限りです。
《ベレンティー・ロッジ》

今回は飛行機が遅れたためにスケジュールの変更を余儀なくされて、予約していたにもかかわらず泊まることはできませんでしたが、保護区内には宿泊施設もあります。

写真は併設されたカフェテリアです。
《ワオキツネザル ⑩》

カフェテリアで食事を取っていると、すっかり人に慣れてしまった(「馴れて」ではありません)ワオキツネザルが食べ物を狙って寄ってきます。

日本を含む観光地でよく猿が人の持っている食べ物をひったくって行くことがありますが、あれほど凶暴ではありませんが、同じ猿の一種なので似たようなものです。
《ワオキツネザル ⑪》

こちらは、庭に飾られた民芸品の人形の頭の上に乗って様子を窺っています。
《ワオキツネザル ⑫》

それでも、花壇の縁石の上で寛いでいる様子などは可愛らしいものです。
《ベレンティー村》

保護区の近くには、素朴な村が佇んでいます。
《サイザルアサ畑 ①》

そしてベレンティー村の周辺には広大なサイザルアサの畑が広がっています。
《サイザルアサ畑 ②》

サイザルアサは実際は麻の一種ではないのですが、同じような用途に使われる麻に因んでアサと呼ばれているそうです。
《サイザルアサ畑 ③》

尖った葉を加工して得られる繊維はロープを始めマットやバッグに加工され、ヨーロッパを始めとした海外に輸出されるため、この地域の非常に重要な産業となっています。
《フォール・ドーファン付近の海 ①》

アンタナナリボに向かう帰りの飛行機が25時間遅れとなったため、フォール・ドーファンでは丸1日時間が空いてしまいました。

そのため付近を散歩してみましたが、きれいな海以外、見るべきものはあまりありませんでした。
《フォール・ドーファン付近の海 ②》

今回のマダガスカルの訪問ではビーチで過ごす時間はありませんでしたが、この国は、場所によっては非常に美しいビーチも有名です。
セイシェルやモーリシャスともそれほど離れていないほどなので、相当期待できます。

次回、機会と時間があればそんなリラックスしたひとときも楽しみたいと思います。
《アンタナナリボ ①》

マダガスカルの首都 Antananarivo は、地元の人々からはタナ(Tana)と呼ばれて親しまれている国内最大の都市です。
《アンタナナリボ ②》

アンタナナリボの町は、中心部の南西にある写真のアヌシ(Anosy)湖の周りを取り囲むように小高い丘が盛り上がっていて、その丘の斜面に建物が並んでいるのが特徴です。

そのため、中心部はどこも結構な坂道が多く、散策するには少々骨が折れます。
《アンタナナリボ ③》

アヌシ湖の中心には第一次世界大戦の戦没者慰霊塔(Monument aux Moris)が立っています。
《アンタナナリボ ④》

慰霊塔へは遊歩道が繋がっていて、10月から11月頃にかけてはここから見える湖の周囲に植えられたジャカランダの並木を彩る紫の花が美しいそうです。
《アンタナナリボ ⑤》

中心部には坂が多いと書きましたが、階段も多いです。
《アンタナナリボ ⑥》

階段の途中などには色々な物を売買する人たちで賑わっています。
《アンタナナリボ ⑦》

野菜は定番です。
《アンタナナリボ ⑧》

フランスが旧宗主国だったこともあって、多くのフランスパンが売られています。

ただしFAO(国連食料農業機関)の2011年のデータによると、マダガスカルは一人当たりの米の消費量で世界第10位(因みに日本は50位)と、どちらかというと米が主食です。

これは、国民の最大多数を占めるメリナ人がインドネシア付近を中心とする東南アジア出身者に由来するためだと思われます。
《アンタナナリボ ⑨》

アンタナナリボは日本のほぼ 1.6倍の広さを持つ島のほぼ中心部に当たる高原地帯に位置していますが、島国であることからここでも魚は結構売られています。
《アンタナナリボ ⑩》

新鮮な生魚ばかりという訳にもいかないので、干魚も豊富です。

これは東南アジアだけでなくアフリカ本土とも共通するものです。
《アンタナナリボ ⑪》

いい出汁が取れそうな各種乾物が並んでいます。

ビールのつまみなどにも良さそうです。
《アンタナナリボ ⑫》

階段はまだまだ続きます。
《アンタナナリボ ⑬》

相変わらず野菜は豊富です。
《アンタナナリボ ⑭》

階段の頂上付近からの眺めです。

ここから見るだけでも町がすり鉢状になっているのがわかります。
《アンタナナリボ ⑮》

フランス仕込みのケーキもふんだんに店頭に並んでいますが、もう夕方だというのにこんなに作っちゃって(というか残っちゃってて)大丈夫なのかなという気にはなります。
《アンタナナリボ ⑯》

丘の頂上には The Rova(ルヴァ)と呼ばれる女王宮が建っています。
  《アンタナナリボ ⑰》

ここはマダガスカルがフランスの植民地となる以前に存在したメリナ王国時代の貴重な建物で、内部には当時の貴重な遺物が収蔵されていたそうなのですが、1995年11月に発生した火事(放火との説が有力)によって、その多くが焼失してしまいました。

2010年の訪問当時には修復中のため中に入ることはできませんでしたが、2012年以降は入場可能となったそうで、被災を免れた王国当時の遺品を見ることができるようになっています。
《アンタナナリボ ⑲》

丘の上から見たアヌシ湖と周囲の市街地の様子です。

町全体が霞んでいるのは、旧式の車が吐き出す排気ガスによるスモッグによるものです。

マダガスカルは観光立国で自然が豊富なイメージがありますが、非常に貧しい国であるため、公害や環境破壊はとても大きな問題となっています。
《アンタナナリボ ⑳》

これは都市部に限ったことではなく、地方部でも同様(というかより深刻)で、マダガスカルの森林は全土で既にその90%以上が焼畑農業や森林伐採によって失われてしまったそうです。

このような環境問題は国土の破壊に繋がるだけでなく、固有種の非常に多いこの国の生態系にも大変大きな影響を及ぼしています。

マダガスカル共和国の写真集(前編)に戻る。

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