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旅の写真集  チリ共和国(その2)HEADLINE

チリ観光の旅行記を兼ねた写真集です。ここでは、チリの北端の町アリカとその近郊に広がるラウカ国立公園から南下し、アタカマ高地を経て首都サンティアゴに至るチリ北部の見どころの様子をご紹介します。

※ なお、旅行時期が1999年6月と結構古いので、雰囲気や状況等は現在と随分違っている可能性がありますが、その節はご容赦下さい。
《ラン・チリ航空》

北米からチリ最北部の町 アリカ(Arica)への国際線は飛んでいないため、一旦チリ中部に位置する首都サンティアゴに入り、そこから2時間半かけて戻ってくる形になるので、乗り換えを含めると6~7時間ほど無駄になりますが仕方ありません。
《アリカ ①》

ペルーとの国境からわずか20kmに位置するアリカの町は、スペインの植民地だった16世紀半ばに創設された港湾都市です。
《アリカ ②》

隣国ボリビアには海がないため、当時ポトシ銀山から産出された銀は、ここから船でヨーロッパへ積み出されて行きました。
《アリカ ③》

町ができた当初はペルー領でしたが、1836年から1839年までボリビアに占領され、その後再びペルーによって奪還された後、1929年にチリに割譲されるという目まぐるしい歴史を辿ってきました。
《アリカ ④》

気温が年間を通して18℃から23℃と過ごしやすい気候であることから、現在では、国内外から多くの海水浴客が訪れるなど、砂漠の中にぽつんとある町としては比較的賑わっています。
《アリカ ⑤》

サン・マルコス教会(Catedral de San Marcos)は、1876年にフランスの建築家ギュスタヴ・エッフェルの設計によって建てられたアリカを代表する建築物です。
《アリカ ⑥》

内部の赤い装飾がとてもチャーミングです。
《アリカ ⑦》

市街のすぐ南にそそり立つ高さ110mのアリカ丘陵もまた、アリカのランドマークです。
《アリカ ⑧》

頂上からの眺めが素晴らしいということで登ってみることにしました。

途中にキリストの像が立っていたりする小道を上がって行きます。
《アリカ ⑨》

15分ほど歩くと頂上に到着です。

北側にはアリカの市街地が見渡せます。
《アリカ ⑩》

こちらは南側を見た様子です。

パン・アメリカン・ハイウエイがただひたすら砂漠の中を走る以外は何もありません(700km以上も信号すらありません)。
《ラウカ国立公園への道 ①》

アリカ自体は以上のような感じで見どころは多くないのですが、ここを訪れた主たる目的は町の東200kmほどの場所に広がる国立公園(Parque Nacional Lauca)ということで、翌日は早速朝からレンタカーを借りて出かけることにしました。
《ラウカ国立公園への道 ②》

アリカの市街地を抜け、砂漠に挟まれた渓谷沿いの道をどんどん上っていきます。
《ラウカ国立公園への道 ③》

しばらく走ると荒涼とした風景に変わります。
《ラウカ国立公園への道 ④》

アリカは海沿いの町なので海抜は数メートルですが、ラウカ国立公園は標高3,200mから4,600mに位置するのですごい勢いで登って行くことになります。
《ラウカ国立公園への道 ⑤》

アリカから1時間も走るとすっかり高山地帯です。

正面にはチリ・アンデス山脈の北端に位置する標高5,860mのタアパカ山(Volcán Taapacá(右側))が見えてきました。
《ラウカ国立公園への道 ⑥》

左下に見えるのはアリカから約130km、タアパカ山の山麓にあるプトレ(Putre)の村です。
《ラウカ国立公園への道 ⑦》

この手前100kmほどには集落は全く無いのにいきなり現れる町並みにびっくりします。

どうしてこんなところに村を構えるつもりになったのか少々理解に苦しみますが、ラウカ国立公園に向かう際の最後の集落ということで高地慣れにここで宿泊する旅行者も結構いるそうで、民宿も数軒あります。
《ラウカ国立公園 ①》

プトレから更に約30km進むと、いよいよラウカ国立公園に入ります。

因みにゲートとかはなく、入園無料です。
《ラウカ国立公園 ②》

この辺りで標高4,300mくらいです。
《ラウカ国立公園 ③》

こんな高地ですが、ビクーニャ、リャマ、アルパカ、グアナコなどが生息しています。
《ラウカ国立公園 ④》

こちらはビクーニャです。
《ラウカ国立公園 ⑤》

もちろん全員野生ですが、あまり近くに近寄らなければ走って逃げたりすることもありません。

ただし、警戒心は非常に強いので、写真を撮ったりしていると、じっとこちらを見つめ続けていたりします。
《ラウカ国立公園 ⑥》

少し進むと動物たちが走りまわる平原の向こうに2つの頂が見えてきました。
《ラウカ国立公園 ⑦》

左が高さ6,282mのポメラペ山(Volcán Pomerape)で、右がパリナコタ山(Volcán Parinacota)6,319mです。
《ラウカ国立公園 ⑧》

この2つの峰はちょうど南北に位置し(右のパリナコタ山が南)、チリとボリビアの国境を形成しています。
《ラウカ国立公園 ⑨》

更に少し走るとコタコタニ湖(Laguna Cotacotani)が見えてきます。
《ラウカ国立公園 ⑩》

コバルトグリーンの美しい水面が浮世離れしています。
《ラウカ国立公園 ⑪》

ただ、ちょっとした光線の具合で湖面の色は著しく変化します。
《ラウカ国立公園 ⑫》

澄み切った空気の中、まるで桃源郷のような景色です。
《ラウカ国立公園 ⑬》

これもコタコタニ湖です。
《ラウカ国立公園 ⑭》

更に3kmほど進むと、標高4,517mの世界最高所にあるチュンガラ湖(Lago Chungará)が目の前に広がります。

パリナコタ山とのコラボが素晴らしいです。

因みに、ポメラペ山はちょうどパリナコタ山の陰に隠れています。
《ラウカ国立公園 ⑮》

リャマとアルパカの群れです。

こんな高所で平和に暮らしているように見える彼らですが、人間を除くとピューマが唯一の天敵だそうです。

ピューマがいるようには見えませんが、いるところにはいるのでしょう。
《ラウカ国立公園 ⑯》

こんな感じで日帰りでラウカ国立公園を訪問し素晴らしい景色を堪能しました。

ご覧のとおり天空の楽園のようなところで超絶にお薦めですが、もし機会があってご訪問される際には、何せ標高ほぼ0mから数時間で約4,500mまで上り詰めますので、くれぐれも高山病にはご注意下さい。
《アリカータクナ鉄道》

アリカに戻ってくる頃には夕暮れ時になっていました。

幹線道路沿いには国境を超えたペルーの町タクナ(Tacna)とアリカを結ぶ貨物列車が走っていました。

この路線は1855年に敷設された南米で最初の鉄道の一つで、現在でも週数便の旅客電車が運行されています。
《アサパ渓谷 ①》

翌日もレンタカーでアリカ周辺を回りました。
《アサパ渓谷 ②》

前日ほどの遠出ではなく市街地から20kmほどの場所に広がる Valle de Azapa です。
《アサパ渓谷 ③》

前日にラウカ国立公園に行く途中で見えた風景と代わり映えしませんが、ここには南米にありがちな地上絵がいくつか残っています。

11世紀から15世紀くらいの間に描かれたものだそうです。
《アサパ渓谷 ④》

また、近所にはゴルフ場がありました。

ほぼ全面バンカーとでもいうような興味深いコースでしたが、残念ながらプレイしている人は見かけませんでした。
《タクナの町 ①》

午後は、乗合いバスに乗って国境の北約40kmにあるペルー最南端の町タクナを訪れてみました。

アリカから1時間ほどしかかからないので、物価の安いペルーに国境を越えて買い物に来るチリ人も非常に多いそうです。
《タクナの町 ②》

市街地中心部を東西に貫く市民通り(Paseo Cívico)の東端に建つのが1959年に完成したタクナ・アーチ(Arco Parabólico)です。

アメリカのセントルイスにあるゲートウエイ・アーチ(Gateway Arch)に似ていますが、あちらは高さ192mであるのに対して、こちらは18mと相当小振りです。

ただし、ゲートウエイ・アーチは1965年完成ということなので、ある意味こちらがオリジナルと言えるかもしれません。
《タクナの町 ③》

市民通りを西に向かいます。

ここでは、毎週日曜日午前9時頃から1時間ほどの間パレードが行われ、観光客などで大変なにぎわいをみせるそうです。
《タクナの町 ④》

市民通りの西端に建つのがタクナ大聖堂です。
《タクナの町 ⑤》

1875年にギュスターヴ・エッフェルの設計によって建築が始まりましたが、途中、戦争などで何度か工事は中断され、完成したのは何と1954年だそうです。
《タクナの町 ⑥》

聖堂前の広場ではペルー人のソウル・ドリンクであるインカ・コーラを前面に打ち出した自転車屋台が列を成していました。
《ラデコ航空》

アリカ周辺(とタクナ)の観光を終えると、翌日は南に約700km離れたアントファガスタ(Antofagasta)に飛行機で向かいました。

写真はその時利用したLadeco航空(現在の LATAM Airlines、かつてのLan Chile)です。

南米の航空会社は頻繁に名前が変わったりと新陳代謝が激しいのが特徴です。
《アントファガスタ ①》

着陸前に機内から見たアントファガスタの中心部の町並みです。

アリカと同様、砂漠地帯に突然現れる大都会です。

日本ではあまり有名ではありませんが、チリ国内では首都サンティアゴに次ぐ第2の都市です。
《アントファガスタ ②》

アントファガスタ空港は市街地中心部の北約25kmの砂漠の真ん中、ちょうど南回帰線上にあります(空港前の幹線道路上には記念碑が立てられています)。
《アントファガスタ ③》

空港から市内へ向かう途中、空港から10kmほどのところにあるラ・ポルターダ(La Portada)は、海の中に立つアーチ状の岩ですが、アントファガスタ周辺では数少ない見どころの一つとなっています。
《アントファガスタ ④》

ズームアップした写真です。

この時はカメラのフィルターが歪んでしまって、それに気づかずに写真を撮ったものですからピンボケで申し訳ありません。
《サン・ペドロ・デ・アタカマ ①》

アントファガスタは観光客にとって特に興味深い町でもないので、市街地に着くと早速長距離バスターミナルからこの日の目的地 San Pedro de Atacama に向かい、(後に訪れるカラマ(Calama)経由で)6時間ほどかけて夕方には到着することがでました。
《サン・ペドロ・デ・アタカマ ②》

サン・ペドロ・デ・アタカマは、アントファガスタから300kmほど東に位置する標高約2,450mのアンデス山中の小さな町です。
《サン・ペドロ・デ・アタカマ ③》

とはいうものの、付近にはチリ北部観光のハイライトとも言えるアタカマ高地が広がり、更にはボリビアのウユニ塩湖に抜ける旅行客の中継所としても重宝されているので、宿泊施設、旅行代理店、土産物屋、レストランなどは多くあって、一大観光拠点の様相を呈しています。
《サン・ペドロ・デ・アタカマ ④》

ただ、いかんせん山奥の小さな集落であることは事実で、それらの施設はどれもほとんどが平屋建ての簡素な建物なので情緒もあります。

(先ほどGoogle Mapのストリートビューで確認しましたが、2022年現在でも2階建ての建物は1軒も無いようでした。)
《タティオ間欠泉群 ①》

サン・ペドロ・デ・アタカマに着いた翌日は、町の北80kmほどにあるアタカマ高地の代表的な見どころの一つ Los Geisers del Tatio への半日ツアーに参加しました。
《タティオ間欠泉群 ②》

半日ツアーとは言うものの、日の出前に現地に到着するため、朝の4時に出発して午後の1時に戻ってくるという約9時間にも及ぶ行程です。
《タティオ間欠泉群 ③》

訪れたのは6月だったので、南半球では真冬です。
《タティオ間欠泉群 ④》

おまけに標高は4,300mほどあるため、日の出前は防寒対策を完璧にしていても凍えるような寒さでした。
《タティオ間欠泉群 ⑤》

因みに、写真では多くの湯気が出ていて暖かそうに見えますが、手をかざしたりすれば多少は温かいものの、この辺りの気温が上がるほどではありません。
《タティオ間欠泉群 ⑥》

それでも陽が昇って1時間以上経ってくると、どうにか耐えられるくらいにはなってきました。
《タティオ間欠泉群 ⑦》

さて、肝心の間欠泉ですが、念のためにご説明すると一定周期で水蒸気や熱湯を噴出する温泉のことです。
《タティオ間欠泉群 ⑧》

それが沢山あるから間欠泉群というわけです。
《タティオ間欠泉群 ⑨》

一般的には、アメリカのイエローストーン国立公園やアイスランドのゲイシールなどが有名ですが、ここは一つ一つの規模はそれほどではないものの、間欠泉群の広さとしては世界で3番目、南半球では最大とのことです。
《タティオ間欠泉群 ⑩》

規模は小さいとはいうものの、高いものでは7~8mくらいまで噴き上がります。
《タティオ間欠泉群 ⑪》

システム的には、チリとボリビアの国境に沿って走るアンデスの火山帯の地下に溜まった水が地熱により加熱されて地表に噴出するというものです。
《タティオ間欠泉群 ⑫》

地下には様々なミネラルが豊富に含まれているため、地表には石灰棚のような美しい(時に気味の悪い)紋様を形成しています。
《タティオ間欠泉群 ⑬》

近くにはちょっとしたプールもできていて、こういうのに目がない一部の欧米人の参加者の一行は、この真冬の寒さの中、水着持参で温泉気分を満喫していました。
《タティオ間欠泉群 ⑭》

寒いことを除けば、こんな感じで3時間くらいいても全く飽きることはないので、ここは毎年10万人以上の観光客が訪れる人気スポットとなっています。
《タティオ間欠泉群 ⑮》

2009年には1日400人以上が訪れたそうで、数字的にはサン・ペドロ・デ・アタカマに滞在した人の実に9割に当たるそうです。
《タティオ間欠泉群 ⑯》

一方で、この大規模な間欠泉群を利用して地熱発電を試みたらどうかという議論もあって、1960年代から様々な研究が為されてきたそうですが、原住民の宗教的な信仰による反対や技術的な問題もあって長い間頓挫していました。
《タティオ間欠泉群 ⑰》

それでも、昨今の化石燃料による環境破壊問題の注目を受けて、2010年前後から地熱発電プロジェクトの再開に向けた動きが出てきているそうです。
《タティオ間欠泉群 ⑱》

環境保護は非常に大切ですが、個人的には、せっかくの観光資源が無視されることなく、いつまでもこのような景観が楽しめることを願っています。
《タティオ間欠泉群 ⑲》

こんな高地で昼夜の気温差も激しく、なおかつ年間降水量44mmというとても乾燥した過酷な環境であるにもかかわらず、周囲には草が生えています。
《アタカマ高地 ①》

そして植物のあるところには動物もいます。
《アタカマ高地 ②》

アンデス山脈の西側の斜面に多く生息するクルペオギツネです。
《アタカマ高地 ③》

チンチラやビスカチャといった齧歯類、リャマやビクーニャの子供などを主食としているそうです。
《アタカマ高地 ④》

昼に一旦サン・ペドロ・デ・アタカマに戻り、午後は別のツアーに参加しました。

超長距離移動でこんな高地に前日に着いたばかりなのに、随分なハードスケジュールです。
《アタカマ高地 ⑤》

午後のツアー(15:00~19:00)はサン・ペドロ・デ・アタカマから西に約20km、車で30分ほどのところにある月の谷(Valle de la Luna)です。
《月の谷 ①》

ここは土漠状の山脈の岩肌が侵食されて月のクレーターのように見えることからその名が付きました。
《月の谷 ②》

谷は約2kmの長さですが、深さ(高さ)は50mくらいあります。
《月の谷 ③》

山の斜面は彫刻刀で削られたような鋭く尖った突起が規則正しく並んでいて、なかなか見応えがあります。
《月の谷 ④》

少し白みがかった部分がありますが、これは岩塩です。

この色合いが山肌に縞状の模様を描き出していて、一層美しい景観を造り上げています。
《月の谷 ⑤》

ツアーでは車を降りて砂山に登ったりもします。
《月の谷 ⑥》

また、こんな険しい岩山を登ったりもします。
《月の谷 ⑦》

最終的には、砂山の頂上で日没の様子を拝んで帰路に就きました。
《月の谷 ⑧》

翌日もまた日帰りツアー(7:00~20:00)に参加です。

当時齢36、今では考えられない(ほぼ不可能な)精力的な毎日です。
《月の谷 ⑨》

この日の目的地は、サン・ペドロ・デ・アタカマの南に面積3,000㎢の広さを持つアタカマ塩湖(Salar de Atacama)の南東にある2つの湖(Laguna)とアタカマ塩湖の北にある1つの湖です。
《月の谷 ⑩》

写真のタイトルが未だに「月の谷」となっていますが、これは途中に月の谷を抜けて行くからで、左の写真のように日当たりの関係で前日よりも美しい月の谷が拝めました。
《アタカマ塩湖 ①》

車で2時間(約120km)ほど走るとミスカンティ湖(Laguna Miscanti)に到着です。
《アタカマ塩湖 ②》

標高4,120に位置し、大きさは13.5㎢とアタカマ高地では最大の湖で、深さは最も深いところで10mあります。
《アタカマ塩湖 ③》

湖の北には標高5,622mのミスカンティ山が聳えています。
《アタカマ塩湖 ④》

更に北には同様に5,500mを超える山々が連なっていますが、この辺りはとても降水量(あるいは降雪量)が少ないため、真冬の6月だというのにどの山もほとんど雪に覆われていません。
《アタカマ塩湖 ⑤》

北側には、これまた非常に乾燥した高さ5,910mのミニケス山が迫っています。
《アタカマ塩湖 ⑥》

汽水湖で塩分濃度はとても高いのため、湖岸には塩が浮いています。
《アタカマ塩湖 ⑦》

私たちミニバスでのツアー客数人以外は誰もいない静かな湖でした。
《アタカマ塩湖 ⑧》

ミスカンティ湖のすぐ(約1km)南にはミニケス湖(Laguna Miñiques)があります。
《アタカマ塩湖 ⑨》

大きさは1.6㎢とミスカンティ湖の約10分の1しかありません。
(因みに、手前の水たまりは湖本体ではありません。)
《アタカマ塩湖 ⑩》

そのためかどうかわかりませんが、こちらの方が塩分濃度が高く、湖面全体が白っぽくなっています。
《アタカマ塩湖 ⑪》

湖岸の様子はほとんど塩湖のようです。
《アタカマ塩湖 ⑫》

このように、見た目はミスカンティ湖と大きく違っていますが、元々は繋がっていたものがミニケス山の噴火による溶岩流で分断されたものだそうです。
《アタカマ塩湖 ⑬》

ミスカンティ湖の湖畔もちょろちょろ草が生えるだけの寒々しい風情でしたが、こちらは更に閑散としています。

それでも高地特有の澄み切った空気が独特の透明度の高い雰囲気を醸し出していて清々しい気持ちになります。
《アタカマ塩湖 ⑭》

相変わらずの過酷な環境ですが、ここにもグアナコの群れがいました。
《アタカマ塩湖 ⑮》

2つの美しい湖を見た後は、両湖の90kmほど北西、アタカマ塩湖の北部にあるこの日3つめの湖に向かいました。

写真は、その途中で見た美しい形の山ですが、残念ながら名前はわかりませんでした。
《アタカマ塩湖 ⑯》

車で1時間半ほどかけて着いたのは、ラグーナ・チャクサ公園(Parque Laguna Chaxa)にあるチャクサ湖(Laguna Chaxa)です。
《アタカマ塩湖 ⑰》

ここは、フラミンゴの生息地として知られ、塩湖の上空を飛び回るフラミンゴが見どころとされています。
《アタカマ塩湖 ⑱》

特に日没前の夕暮れ時が美しいということで、ちょうどその時間に訪れました。
《アタカマ塩湖 ⑲》

群れは遠くてほとんど認識できませんでしたが、時折上空を行き交うフラミンゴは見ることができました。
《アタカマ塩湖 ⑳》

もうちょっとアップで撮影できたら良かったんですが、それなりに満足できました。
《アタカマ塩湖 ㉑》

なお、こんな感じで美しいながらも荒涼としたアタカマ高地ですが、アタカマ塩原のリチウム埋蔵量は全世界の27%にも及ぶとされ、近隣のウユニ塩湖を含むチリ、ボリビア、アルゼンチンの国境地帯全体では全世界の8割を占める埋蔵量のリチウムが眠っていると言われています。
《アタカマ塩湖 ㉒》

そんな訳で、昨今、パソコン、携帯電話に加え電気自動車の充電池の材料として需要が急増していることから、この辺りの開発は激しい勢いで進んでいます。

興味がある方は Google Map の航空写真で「アタカマ塩原」を覗いてみて下さい。

結構凄いことになっていますよ。
《ラグーナ・ヴェルデ ①》

2日で3つのツアーに参加した翌日は、ボリビア国境を少し越えたところにある Laguna Verde を半日ツアーで訪れました。

サン・ペドロ・デ・アタカマから東に約50km、車で1時間ほどです。

《ラグーナ・ヴェルデ ②》

湖の畔には、スペイン語で「ボリビアにようこそ」との看板がぽつんと立てられていました。

チリからの訪問者が多いことが推察できます。
《ラグーナ・ヴェルデ ③》

湖の標高は約4,300メートル。

水の色が緑に見えることからその名が付きました(ただし、アンデスには同じように緑の湖面はしばしば見られるのですが)。

奥に見えるのはチリとボリビアの国境に聳える高さ5,916mのリカンカブール山(Volcán Licancabur)です。
《ラグーナ・ヴェルデ ④》

ここも岸辺には塩の結晶が堆積していました。
《ラグーナ・ヴェルデ ⑤》

前日惜しくも見られなかったフラミンゴの群れを発見しました

わざわざ国境を越えて訪れた最も大きな成果といえばこのくらいでしたが、それでも十分きれいな景色を堪能できました。
《プカラ遺跡 ①》

午後はサン・ペドロ・デ・アタカマ中心部から3kmほど北にある Al Pukara de Quitor に徒歩で向かいました。
《プカラ遺跡 ②》

ここは12世紀のプレ・インカの時代にアタカマ族によって建てられた遺跡です。
《プカラ遺跡 ③》

プカラとは砦の意味だそうで、その名の通り80mの丘の斜面に要塞のような形で建造されています。

日本の某ガイドブックには、「マチョピチュのミニ版」と書かれていましたが、それは言い過ぎな感じでした。
《プカラ遺跡 ④》

また、丘の上からの「眺めは抜群!!」とも書いてありましたが、こんな感じでした。
《サン・ペドロ・デ・アタカマ ⑤》

という訳で、結局サン・ペドロ・デ・アタカマには3泊しましたが、高地であることを考えると随分無理な行程でした。

結果的に無事に楽しむことができましたが、もし可能であれば、高地慣れの期間も考慮して1泊減らすか、3泊で済ませるならタティオ間欠泉とラグーナツアー(余裕があればプラス月の谷)くらいにしておくのが無難かと思います。
《カラマ ①》

そんなことを思いながら、4日目の夕方のバスで2時間かけて東に約100km離れたカラマに移動しました。

写真は翌日の朝に散策した中心部の様子です。

正面奥には(ほとんど米粒くらいの大きさにしか見えませんが)この町を有名にしている近郊の銅山で働く鉱夫の銅像が立っています。
《カラマ ②》

こちらはセントロの中心3月23日広場(Plaza 23 De Marzo)の西側に1906年に建てられた教会( Catedral San Juan Bautista)です。
《カラマ ③》

市街地の南には、日本の某ガイドブックでお薦めのエルロア公園(Parque El Loa)がありますが、ちょっとした川沿いの公園というだけで特に見るべきものはありません。
《カラマ ④》

ただ、入口付近に建つエルロア教会(Iglesia Parque El Loa)はちょっと風情がありました。
《チュキカマタ銅山 ①》

ご紹介したようにカラマ自体には特に見るべきものはありませんが、忙しい中わざわざここに滞在したのは町の20kmほど北にある Chuquicamata を訪れるためです。

ここは世界最大の露天掘りの銅山で、世界中から観光客や視察者が集まる名所なので、案内事務所で申し込めば無料のツアー(所要約2時間)に参加できます。
《チュキカマタ銅山 ②》

採掘場の規模は2010年現在、南北4.5km、東西3kmほどで、深さは1,250mもありますが、現在でも毎日精力的に掘削が続き、その大きさは日々成長を遂げています。
《チュキカマタ銅山 ③》

そんな中を働きアリのように走りまわるダンプカーは日本のコマツ社製だそうです。

今では、労働環境も考慮して無人の自動運転も実施されているというハイテク振りです。
《チュキカマタ銅山 ④》

因みにこのダンプ、ありんこにしか見えませんが、タイヤだけで3m以上の高さがあります。

前に立っている人は身長180cm以上あるとのことなので、その大きさが想像できると思います。

それでも、実際に現地を訪れて自分の目で確認しないことにはこのスケール感は理解しがたいと思いますので、お近くへお越しの際には是非立ち寄ってみて下さい。。
《カラマ近郊ツアー ①》

翌日は午後のアントファガスタ行きのバスまで時間があったので、タクシー(3時間ほど)をUS$50で借り切って近郊の見どころを回ることにしました。
《カラマ近郊ツアー ②》

まず向かったのは、カラマの北東約40kmに位置するプカラ・デ・ラサナ(Pukara de Lasana)です。

前述の通り、プカラは砦という意味なので、ここではラサナ(村の)砦ということです。
《カラマ近郊ツアー ③》

こちらも2日前に見たプカラ遺跡と同様、12世紀の要塞だそうです。
《カラマ近郊ツアー ④》

壁画もいくつか残っています。
《カラマ近郊ツアー ⑤》

次に向かったのは、カラマの北東約30km(ラサナから約10kmカラマ寄り)の Chiu Chiu の村には17世紀に建てられたチリ最古の教会として有名なサン・フランシスコ・デ・チウ・チウ(San Francisco de Chiu Chiu)が残っていますが、生憎扉は閉まっていて中には入れませんでした。
《カラマ近郊ツアー ⑥》

近郊の見どころというのは以上なのですが、コスト・パフォーマンスの低さに運転手も同情してくれたのか、帰路には動物が見えると停まってくれたりしました。
《カラマ近郊ツアー ⑦》

リャマですね。
《サンティアゴ ①》

アントファガスタからは一気に飛行機でサンティアゴに戻りました。

初日はサンティアゴに1泊したものの翌朝アリカに飛んでしまったので、実質初めての首都訪問ということで丸一日市内観光を楽しみました。

まず向かったのは、ケーブルカー(Funicular)でアクセスでき、市内を一望できるサンクリストバルの丘(Cerro San Cristóbal)です。
《サンティアゴ ②》

さすが国内人口の3割強の約560万人(2017年現在)が住む大都会だけあって、アリカやカラマとはわけが違います。

国内第2の都市アントファガスタでさえ40万人ほどなので、正に桁違いです。
《サンティアゴ ③》

標高は600m程度とそれほど高くはありませんが、アンデス山脈とチリ海岸山脈に囲まれた盆地にあるため、スモッグや大気汚染が深刻な問題となっています。
《サンティアゴ ④》

まるで雲海の下に広がる町のようです。
《サンティアゴ ⑤》

丘の上には1908年に完成したマリア像が立っています。
《サンティアゴ ⑥》

帰りはロープウエイ(Teleférico Santiago)を利用しました。
《サンティアゴ ⑦》

ロープウエイの方が景色は楽しめます。
《サンティアゴ ⑧》

市内の移動は5路線(当時は3路線)あるメトロが便利です。
《サンティアゴ ⑨》

旧市街の中心部に建つモネダ宮殿(Palacio de la Moneda)です。
《サンティアゴ ⑩》

18世紀のスペイン統治時代に造幣局として建設され、現在では大統領官邸となっています。
《サンティアゴ ⑪》

他にもいろいろ回りましたが、サンティアゴに関しては、もしご興味がある方は「旅の写真集 チリ(その1)」をご覧下さい。

そちらの方が現在に近いし、写真もきれいです。

その時も訪れましたが、旅の最後の晩餐は中央市場のレストランで楽しみました。

ここは観光客狙いの店もありますが、昔からの老舗などの中には素晴らしい店もいくつかあります。

サンティアゴでは絶対立ち寄って欲しい場所です。

旅の写真集 チリ(表紙)へ戻る。

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