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《エルビル空港 ①》 イラク北部の都市 Erbil には24時少し前に到着しました。 イミグレーションやら両替やらしていたら1時近くになってしまいましたが、人は多くはないものの特に怪しい雰囲気も無く、平和な佇まいでした。 なお、エルビルはアルビルと呼ばれることもありますが、一応、日本の外務省はエルビルと表記しているので、ここではエルビルで統一させていただきます。 |
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《エルビル空港 ②》 エルビル市内へ行く場合、公共交通機関はありません。ゲートを出たところからタクシーも出ていますが、ここから2kmほど離れた「セキュリティポイント」という建物まで約30分おきに出ている空港内のシャトルバスで移動してからタクシーを捕まえる方が安く済みます。 因みに「セキュリティポイント」というのは、空港に出入りする際に荷物やパスポートをチェックするという、文字通りのセキュリティポイントなのですが、到着ゲートを出てすぐにタクシーに乗ればここは通らなくて済むという謎のシステムです。 |
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《ヴォート・ホテル ①》 という訳で、「セキュリティポイント」からタクシーに乗って、今回(結果的に)7泊お世話になった Vote Hotel にチェックインできました。 因みに、タクシーは地元客だと10,000ディナール(約1,100円)のところ、外国人と見ると25,000ディナール(あるいはUS$20)ほどと非常にふっかけてきます。 私は非常に粘り強く沢山のドライバーと交渉した結果、一人だけUS$10(約1,400円)でいいというあまり英語が話せなくて要領の良くなさそうな運転手がいたので、その人に連れてきてもらいました。 |
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《ヴォート・ホテル ②》 夜中の1時半だというのに、フロントにはホテルの従業員どころか客もいて、丁寧に対応してもらえてほっとしました。 |
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《ヴォート・ホテル ③》 翌朝は(というか結果的にこれから毎朝)、ホテル代40,000ディナールに込みの朝食を取るために最上階のレストランを訪れました。 |
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《ヴォート・ホテル ④》 非常に明るい雰囲気の清潔感に溢れたレストランでとても気に入りました。 |
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《ヴォート・ホテル ⑤》 ビュッフェ形式で、おかずの種類も豊富です(ただ、内容は中東料理なので日本人にとっては選択肢は多いとは言えません)。 |
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《ヴォート・ホテル ⑥》 この日選んだ朝食はこんな感じでした。 卵料理とチキンソーセージが常備されているのは助かりました。 |
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《エルビル市街 ①》 このレストランは7階くらいの高さにあるので、非常に展望が良かったです。 |
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《エルビル市街 ②》 北東の方角(空港方面)には高層ビルがいくつも建築中で、今後の発展が楽しみな感じです。 |
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《エルビル市街 ③》 こちらは旧市街中心部がある南東の方角です。 旧市街中心部までは5kmほどの距離です。 |
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《エルビル市街 ④》 前日到着が遅かったので少々ゆっくりしたかったことに加えて、日中の気温が43℃ほどあったので、夕方まで部屋で過ごして17時過ぎに外出しました。 そんな時間にもかかわらず、呼吸をする度に鼻の穴の奥が焼けるような暑さで、多少身の危険を感じましたが、エルビル自体は非常に治安が良い(ホテルのフロントで確認したら「夜中の12時頃までは一人で歩いていても大丈夫。それ以降はあまり歩いたことがないので知らないが誰か事件に遭ったという話は特に聞いたことは無い」)と言うとおり、全く危険な雰囲気はありませんでした。 |
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《エルビル市街 ⑤》 この日はまず、いくつかのブログでお薦めとされていたイラクで一番大きいというモールを訪れてみることにしました。 到着するまで30分ほど歩きましたが、途中身の危険を感じるどころか、会う人ごとに挨拶されたり「どこから来たんだ」とフレンドリーに話しかけられたりで、非常にほのぼのとした気持ちになりました。 |
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《ファミリー・モール ①》 これがこの日の目的地「Family Mall」です。 因みに走っている車は新車かどうかまではわかりませんが非常に新しくきれいな車で、これまで抱いていたイラクのイメージとは全く違うものでした。 |
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《ファミリー・モール ②》 これが入口です。 歩いている人は多くありませんが、これは恐らく外はまだ暑いことと、このモールは地元でも比較的高級な部類なので車で訪れる人が多いことによるものだと思います。 |
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《ファミリー・モール ③》 中に入るとこんな感じで、東南アジアなどにあるちょっとした高級モールに似た雰囲気です。 |
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《ファミリー・モール ④》 当たり前と言えば当たり前ですが、コーヒーショップなどもあって皆さん普通に寛いでいます。 |
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《ファミリー・モール ⑤》 因みに、入場時にセキュリティチェックはありましたが、普通に荷物をX線検査機に通すというどこにでもあるパターンで、特別なものではありませんでした。 |
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《ファミリー・モール ⑥》 フードコートもあります。 SUSHIとか日本料理の類いは見かけませんでしたが、バーガーキングなどの外資も入っていて、皆さん楽しそうに食事をしていました。 |
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《エルビル城塞噴水公園 ①》【世界遺産】 翌日は日中の気温が40℃ほどと、若干過ごしやすくなったので昼の12時頃に宿を出て、5kmほど離れた旧市街中心部を訪れました。 それでも行きはあまりに暑いのでタクシーを使いましたが、きちんと配車アプリもあるので明朗会計で4,000ディナール(約410円)で済みました。 |
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《エルビル城塞噴水公園 ②》【世界遺産】 旧市街中心部には、噴水公園を囲んで、屋内市場であるグランド・バザールや世界遺産に登録されているエルビル城塞などが集まっていて、市民の憩いの場であると共に観光の中心地でもあります。 |
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《エルビル城塞噴水公園 ③》 正面に見えるのが2014年に世界遺産に登録されたエルビル城塞(Erbil Citadel)です。 地元の人には単純に「シタデル」と呼ばれています。 |
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《エルビル城塞 ①》 この日は平日でなおかつ真っ昼間で人が少ないこともあってか、噴水は半稼働状態でしたが、そのお陰もあって城塞の全容を写真に収めることができました。 因みに、エルビル城塞とは、紀元前2300年頃にはその原形があったとされる城郭都市集落で、旧市街地はこの城塞を中心に放射線状に伸びており、正にエルビルのシンボルとも言える建造物です。 |
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《エルビル城塞 ②》【世界遺産】 ちょっとしたスロープを上ると城塞の入口近くに出ることができます。 ここにはどういう謂われかわかりませんが、砲台なども設置されていて、守りの堅さをアピールしています。 |
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《エルビル城塞噴水公園 ④》 それはともかく、ここから見る噴水広場の景観は素晴らしいです。 平和を絵に描いたような雰囲気に満ちていて、1時間くらいいても飽きないほどの美しさです。 |
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《エルビル城塞噴水公園 ⑤》 因みに、2025年現在、アルビル周辺を含むクルディスタン地域には外務省の危険情報レベル2が発出されています。これは、バグダッドを含むイラク国内の大部分がレベル4(退避勧告)又はレベル3(渡航中止勧告)であるのに比べると、ほとんど例外的ともいえる緩さです。従って、現状のイラクにおいては、世界遺産アルビル城塞は数少ない観光スポットの1つとなっています。 |
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《グランド・バザール ①》 向かって右側には市民の生活の拠り所ともなっているグランド・バザールが見えます。 |
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《グランド・バザール ②》 こちらはグランド・バザールの外周路です。 食材屋や宝石商、両替スタンドなどが軒を連ねています。 1階部分の歩行者通路がアーケード状になっていて、暑い日差しを遮ってくれるのが嬉しいです。 |
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《グランド・バザール ③》 内部は中東では典型的な完全屋内アーケードです。 衣料関係が多いですが、スパイス関連、食料品関係など、エリア毎に別れています。 |
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《グランド・バザール ④》 結構大きなバザールですが、人でごった返しているという訳でもなく、また、この地域では主要な観光地の一角とはいうものの、イラクへの観光客はまだまだ少ないので、店員の皆さんはフレンドリーではありますが全くしつこいなどということはなく、価格も適正なようです。 |
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《グランド・バザール ⑤》 スパイス屋さんは取り扱っている商品の種類も豊富で彩りも鮮やかなので、とても絵になります。 値段も異常に安いのでお土産に買いたかったところですが、この後トルコへの長旅が控えていたので、今回は諦めました。 |
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《ジャリル・カヤット・モスク》 帰路は徒歩で帰りました。 シタデルからホテルへは歩いて約1時間の距離でしたが、途中にはエルビルで一番大きいという2007年に完成した Jalil Khayat Mosque の前を通って外観だけ楽しみました(ムスリム以外は入場禁止とのこと)。 |
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《ニュー・キャッスル市場 ①》 翌日は、Suq Alqaleat Aljadid というモールを訪れました。 ここはエルビル城塞噴水公園の500mほど南にあり、初日に訪れたファミリー・モールが高級路線であるのに対して、比較的庶民的なモールでした。 入口にX線検査装置などもない上、特に警備員も見当たらず、ノーチェックで入場することができました。 |
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《ニュー・キャッスル市場 ②》 そんな状況なので(という訳ではないでしょうが)、内部は大混雑でした。 ファミリー・モールに比べると整然さに欠ける部分は感じましたが、若者が非常に多くとても活気に満ちていました。 |
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《ニュー・キャッスル市場 ③》 扱っているものや店舗の様子は、ファミリー・モールというより前日に訪れたグランド・バザールに近い感じでした。 |
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《エルビル城塞周辺 ①》 前日に続いて、エルビル城塞周辺を散策してみました。 城塞のすぐ下には、歴史のありそうな建物に中東風の織物やアクセサリーを扱う店が入っていてお洒落な雰囲気ですが、お客さんはほとんど入っていません。 |
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《エルビル城塞周辺 ②》 その並びには噴水公園やグランド・バザールのアーケードを眺めながら寛げるティーハウスも数軒あります。 |
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《エルビル城塞周辺 ③》 その隣も小綺麗な土産物店です。 せっかくとてもいい雰囲気を存分に醸し出しているのに観光客自体が滅多にいないのが勿体ない限りです。 |
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《エルビル城塞 ③》【世界遺産】 前日に続いて城塞の入口まで上ってみましたが、この日は金曜日ということもあって多くの地元民(特に若者)で賑わっていました。 |
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《エルビル城塞 ④》【世界遺産】 以前は城塞内部にも入場できたということでしたが、最近になって入れなくなってしまったとのことです。 20世紀に入って内部の古い街並みが次々と失われてきたため、21世紀になって(恐らくユネスコの支援もあって)再生プロジェクトが開始され、現在は補修作業中だそうです。 多分、もう二度と訪れることはないと思うので非常に残念でした。 |
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《路上マーケット ①》 先述のとおり、この日は金曜日だったため、噴水公園周辺の道路は封鎖され、路上マーケットが開かれていました。 |
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《路上マーケット ②》 日用雑貨から何に使うか判らない謎の部品などが思い思いの形で売られていました。 |
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《路上マーケット ③》 こちらはナッツの屋台です。隣にも同じようなものを売っているのが見えます。 グランド・バザールでも(というか世界中どこへ行っても)そうでしたが、どういう訳か同じ業種の人たちは同じエリアで商売することが多いですね。 お互い離れて営業した方が過当な価格競争をせずに売れるので望ましいと思うのですが、どういうことなんでしょうか。 |
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《路上マーケット ④》 パン屋の屋台もあります。ほとんど地元のお得意さん向けの商売のようです。 覆いも無いのにこのように人混みの多いところで裸で売られているパンというのは衛生面でちょっと心配な気がするのは日本人特有の潔癖症的な考え方なんでしょうね。 |
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《エルビル城塞噴水公園 ⑥》 再び噴水公園に戻ってきました。 陽が暮れかけてきたので、人も増えてきました。 |
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《エルビル城塞噴水公園 ⑦》 因みに、公園で飲み物やスナックを売り歩いているのは恐らくバングラデシュからの出稼ぎと思われる若者が多かったです。 イラクに出稼ぎというのもどういう経緯なのかと思いますが、本国で仕事をするより稼げるということなのでしょう。バングラデシュを訪れたときに大いに感じましたが、生きることの大変さを改めて痛感しました。 |
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《エルビル城塞周辺 ④》 当初の予定では、エルビルから少し足を伸ばして近隣の村などを訪れることも考えていたのですが、公共交通機関がほとんど無くアクセスが難しいことと、日中の40℃を越す気温の中、エアコンも無い乗合いバスや乗合いタクシーで移動するのは危険と考え、結局(初日のファミリー・モール訪問以外の)5日間の滞在中、ほぼ毎日シタデル周辺の散策に明け暮れました。 |
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《エルビル城塞周辺 ⑤》 それでも決して飽きることがなかったのはクルド人の皆さんの異常なまでのフレンドリーさによる居心地の良さでした。 クルディスタン地域はイラクの中でも独立国的なほど特別な存在で、イラクの他のエリアとは先述のとおり治安面でも全く違うので、もし興味があれば是非訪問してみて下さい。 とてもほのぼのとしたひとときが過ごせると思います。 |
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《エルビル空港 ③》 エルビルの旅を終えた後は深夜便でトルコに向かいました。 出発便の情報モニターを見ると、イスタンブールの他にもアンマン、ドーハ、ベルリンなどにも直行便が飛んでいて、未だ政情不安を抱えるバグダッドよりもずっとアクセスは良いことがわかります。 それでも今後状況が好転すれば、次回はバグダッドから入って素晴らしいメソポタミア文明の遺跡を巡ってみたいと思っています。 だからという訳ではありませんが、一刻も早くイラク全土に平穏な日々が戻ってくることを祈っています。 |
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