《アピアの政府合同庁舎》 アメリカ領サモアの写真集ですが、左下の写真はまだサモア(アメリカ領サモアではなく独立国の方、紛らわしいので以下このページでは「西サモア」と呼ばせていただきます)の首都アピア(Apia)にある合同庁舎です。 なぜ、この写真から始まるかについては長いエピソードがあります。 まず、基本的にアメリカ領サモアの入国に際しては日本人はビザは必要ありません。ガイドブックや各種ブログを見ても、到着時にパスポートに押印されるだけで滞在許可が下りるとされています。 しかし、それを信じて私がアメリカ領サモア行きの飛行機が出る空港に到着したところ、ビザはいらないけれど、飛行機の搭乗に際して OK Board という書類が必要だと言われてしまったのです。 それはどこで取得できるか尋ねるとこの合同庁舎を紹介され、飛行機の出発時刻が3時間遅延したことを幸いに、再びタクシーで市内に戻ってここを訪れたわけです。 ところが、案内された窓口では、ここでは発行できないなどと言われ、電話を借りて現地の日本大使館に問い合わせたりもしたのですが、約2時間もの間、全く埒があかず(そんな問合せは受けたことがないとのこと)途方に暮れ諦めかけていたところ、たまたま通りかかった親切な偉い人の配慮で発行してもらえることになり(やればできるんじゃん)、出発時刻の30分前に空港に戻ることができたという綱渡りだったのです。 そんな訳で、アメリカ領サモア入国に際してはビザは要りませんが OK Board という世界で類を見ない謎の書類(US$20)が必要だということを言いたかったのです。 こんなことなら最初からビザが必要と言ってくれた方がよっぽどわかりやすいですよね。 なお、OK Board は事前にネットでも申請できるようなので、今後訪問される方は是非万全の体制で臨んで下さい。 |
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《ファガリイ空港(サモア) ①》 そんな経緯で2度目の到着となった Fagalii Airport は、アピアの郊外にある小さな空港です。 一応国際空港ですが、隣国のアメリカ領サモアの首都パゴパゴ(Pago-Pago)に毎日数便が飛んでいるだけです。 |
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《ファガリイ空港(サモア) ②》 場合によっては日本のどこかの秘境駅より小さいとも思われるロビーです。 でもキオスクを限りなく小さくしたような売店や両替所もあります。 |
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《サモア・エアウエイズ ①》 2019年現在乗り入れているのはパゴパゴへ向かうサモア・エアウエイズ(Samoa Airways)のみです。 ただし、サモア・エアウエイズ自体は、西サモアの本物の国際空港であるファレオロ(Faleolo)空港から、オーストラリアやニュージーランドなどへも立派に国際線を飛ばしています。 |
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《サモア・エアウエイズ ②》 とは言うものの、やはり西サモアからアメリカ領サモアへの需要は高いとは言えないようで、今回乗ったのはDHC-6型の19人乗りの小型機でした。 |
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《サモア・エアウエイズ ③》 前から3列目の席でしたが、操縦室のドアは終始全開で、約30分の飛行時間中、パイロットの一挙手一投足を間近で見ることができました。 アメリカ領に向かう飛行機だというのにアルカイダによる乗っ取りなど念頭に無いようでした。 |
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《パゴパゴ空港 ①》 なお、アメリカ領サモアは今述べた通りアメリカ領で、合衆国大統領が統治していることになっていますが、民族構成としてはサモア人が約90%で、白色人種は約2%に過ぎません。 そのため、文化的にはサモアの影響が強く、サモアの伝統的家屋であるファレを模した(あるいはそのものの)建物も多く見られます。 |
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《パゴパゴ空港 ②》 しかしながら、ターミナルビルを出ると、西サモアのファガリイ空港に比べると遙かに規模が大きな駐車場が広がっていて、早くもアメリカンなムードに圧倒されます。 |
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《パゴパゴ中心部 ①》 とは言っても、空港から約15km離れたパゴパゴ中心部のファガトゴ(Fagatogo)と呼ばれるエリアでもこの程度の賑わい(向かって左は港とバスターミナル)なので、恐れるほどのことはありません。 |
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《パゴパゴ中心部 ②》 こちらはセントラル・バスターミナルです。 |
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《パゴパゴ中心部 ③》 西サモアと同様、サイケなデザインに彩られたバスが名物です。 |
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《パゴパゴ中心部 ④》 アメリカ領サモアは、人口5万人強の小さな島ですが、バスは意外と頻繁に走り回っています。 |
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《パゴパゴ中心部 ⑤》 パゴパゴ湾を挟んだ対岸から見たパゴパゴ中心部です。 アメリカの州や海外領土の中では桁違いに小さな街ですが、これでも立派な首都なのです。 |
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《パゴパゴ中心部 ⑥》 なお、パゴパゴという地名は本来、ファガトゴ(左の写真の辺り)を含むパゴパゴ湾周辺を指すものですが、その範囲は非常に曖昧で、西サモアの人の多くはパゴパゴのあるツツイラ(Tutuila)島を指したり、極端な例ではアメリカ領サモア全体をパゴパゴと呼んだりしているようです。 |
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《パゴパゴ中心部 ⑦》 同様に、世界的にはアメリカ領サモアと西サモアを混同してしまう例も多く見られます。 例えば、かつて日本ハムファイターズで活躍して「サモアの怪人」として恐れられたトニー・ソレイタ選手は、ここアメリカ領サモア出身なので、人種的にはサモア人ではありますが国籍的にはアメリカ人です。 |
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《パゴパゴのホテル》 今回泊まったのはEvalani's Motel という名のご覧の宿です。 斜陽感に満ち溢れたくたびれたモーテルですが、宿泊費が異常に高い(何の変哲も無いホテルのシングルルームでUS$120くらいから)この国にあってUS$60と、圧倒的に最も安い施設でしたので、迷わずここに決めました。 |
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《ツツイラ島 ①》 この宿に3泊して、中2日間にバスでのんびり島内を周遊する予定だったのですが、初日の夜に入浴中にぎっくり腰を患ってしまい2日目は部屋で寝たきりだったので、方針を変更して3日目にレンタカーで回ることにしました。 一時は何もできずに帰ることになるかと落ち込みましたが、どうにか運転できる程度に回復したのは不幸中の幸いでした。 |
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《ツツイラ島 ②》 空港とパゴパゴのちょうど中間くらいにはフラワーポットロック(Flowerpot Rock)という二つの岩があります。 2つあるのにどうして単数形なのかはわかりませんでしたが、この2つの島には、南の島によくありがちな(とても短いながらも)悲しい伝説が残っています。 詳細はこちら。 |
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《ツツイラ島 ③》 海岸線を走る長閑なバスなども絵になります。 |
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《ツツイラ島 ④》 島内をドライブしているとずっとこんな感じで、道路沿いに時々民家が建っているという状況です。 |
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《ツツイラ島 ⑤》 アメリカン・サモアというのは観光地としては一般的ではありませんが、海はとてもきれいです。 |
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《ツツイラ島 ⑥》 本当にきれいです。 |
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《ツツイラ島 ⑦》 あまり多くはありませんがビーチもあります。 |
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《ツツイラ島 ⑧》 こちらは、”Two Dollar Beach” という名のプライベート・ビーチです。 開場当初はUS$2だったことからこの名が付いているそうですが、現在はUS$5だそうです。 場末の遊園地のようなちょっと小振りなビーチですが、リーズナブルだと思います。 |
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《ツツイラ島 ⑨》 もともと泳ぎは得意ではないしぎっくり腰も気になるので、ビーチには寄ることなく再び走り続けます。 |
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《ツツイラ島 ⑩》 なんかクルマのコマーシャルに出てきてもおかしくないような素晴らしい景観です。 |
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《ツツイラ島 ⑪》 島内の道路は海岸沿いでも起伏がありますが、ところどころにこのような標識を見かけます。 文字通り、これより下ると津波に気をつけるべきエリアですよという警告サインです。 2009年のサモア沖地震ではパゴパゴでも3mを超える津波を観測したほどの地震大国なので、このような情報はとても重要です。 |
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《ツツイラ島 ⑫》 そして、これがその津波警告エリアに属するツツイラ島最果ての村オネノア(Onenoa)です。 |
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《ツツイラ島 ⑬》 小さな村の家屋では平和の象徴のように洗濯物がはためいていました。 |
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《ツツイラ島 ⑭》 帰りは津波危険ゾーンから出るよというサインが出ていました。 ここより上は、とりあえずこれまでの気象統計を総合的に勘案すると比較的安全ということのようです。 |
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《ツツイラ島 ⑮》 こちらは島の中央部を貫く山脈を隔ててパゴパゴの裏(北側)に当たるバティア(Vatia)に向かう道の途中にある峠から見た島の様子です。 一般的にほとんど熱帯雨林に覆われた島だということがわかります。 |
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《ツツイラ島 ⑯》 一方、峠から北側にはクックス・コーム(Cook's Combs)と呼ばれる、波によって浸食された(無理矢理見ると)櫛のように見えないこともない少し雄大な景観が見られます。 |
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《ツツイラ島 ⑰》 峠を越えた終点がバティアの村です。 この村には、背後に見える山を越えてパゴパゴからトレッキングでアクセスすることもできます。 |
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《ツツイラ島 ⑱》 バティアの村はずれから1kmほど歩くと、先ほどのクックス・コームの麓の海岸に出ることができます。 酷く足下の悪い海岸ですが、アメリカ領サモアでは有数の観光地です。 |
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《ツツイラ島 ⑲》 帰りがけに再び峠を通りかかった際に見たパゴパゴ湾(右奥)方向の様子です。 普通の読者の方には何の感慨も無いと思いますが、OK Board 騒動とぎっくり腰を乗り越えた私には達成感抜群の景色でした。 |
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《パゴパゴ空港 ③》 これが出発ロビーの全景です。南国らしいアットホームな感じです。 帰りの便は19人乗りの飛行機に17人の乗客だけだったので、搭乗手続きもスムーズでした。 |
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《ファガリイ空港(サモア) ③》 無事、西サモアに到着です。 アメリカ領サモアを訪れる人はほとんどがビジネス客か地元の人だそうで、観光客は滅多にいないとのことです。 それでも、海は抜群にきれいなので、西サモアを訪れる機会があったら、ついでに立ち寄ってみるのも悪くはないと思います。 |
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